ファルサム・神出鬼没
リハビリにファルサム的なもの。元ネタはいつも通りというか35話ですw
席を確保しながら、サムスは色々と言い訳を考えていた。
これは飽くまで個人的な趣味。ファルコンは関係ない。
求めるのは生の迫力。マシンが生み出すショックウェーブに病み付きになっただけ。
そうでなければTVで見るだけだ。
「こんにちは、美しいお嬢さん」
「悪いけど……!?」
思考を中断させる声に振り向くと、完全に頭が止まってしまった。
何故なら、声の主は今頃出陣の準備をしているはずのファルコン――バートだったからだ。
「ど、どうしてここに!?」
「客席を眺めていたらあなたの美しさに目が止まりまして」
「言ってる場合!? 早く準備!」
「はいはい……応援に来てくれて、凄く嬉しかったんだ。女神が来た以上は勝たせてもらう」
トーンを落として呟き、サムスが面食らっている間に彼は姿を消した。
それから程なく、レースマシンがスタート位置についた。
勿論、ナンバー07の青いマシンの姿もある。
「……頑張れ、ファルコン」
去り際の彼の表情を想い描きながら、食い入るようにマシンを見つめた。
とりあえず今度私服を一緒に買いに行こうと思いながら。