ヒューゴとアクアの周囲には結界が出来る

鋼龍戦隊にはティーンエイジャーが多い。
そしてその上の例えばキョウスケとエクセレンのパートナーを越えた仲は周囲公認であり、恋愛話に事欠くことはない。
しかしそこを離れれば話は別である。隊長のカイを除けば若者ばかりの新教導隊はいい顔をされなかった。
アラドたちの元スクール、という点にも難色を示された。
実力は確かかもしれないがいつか彼らが連邦軍に牙を剥くのではないのかと。
ラミアも同様だ。
そんな中で新たに入ったヒューゴとアクアはツェントル・プロジェクトのことはさておき周囲からの評判は良かった。
クライウルブズの名が知れ渡っていたのもある。
軍人然として振る舞う彼らのおかげで実力以外も認められる時が来たかとカイも安心していた。
しかし、彼らにも問題があった。
パートナーとして戦いを続ける内に公私共にパートナーとして感情を深めあってしまったのである。
「いいじゃねぇっスか、ヒューゴさん男らしいし」
「議員だっていうアクアさんのお父さんも認めているんでしょ?」
比翼の2人は本人たちが恋人同士ということもあって寛容だった。
「でも……格納庫でキスするのはやめた方がいいと思う……」
難色を示すのがラトゥーニ。実際この件で指導が来たから笑えない。
「しかしながら2人の実績は確かでごんす。あまり締め付けると欲求不満で逆に悪化する可能性もありんす」
ラミアは中立的な視点。
カイは頭を抱える。思えば旧教導隊は男所帯のせいかこんな問題は起きなかった。
――個性の強すぎるメンバーで毎日新たな伝説を作り上げていたのを無視すれば。
「まあ上の声もあるんでな。アクアは分析も得意だからそっちの仕事で出張させている。ヒューゴはテスト機のデータ取りだ」
「はーい! おれは帰ってきたアクアさんにヒューゴさんが抱きつく方に賭けるぜ!」
「もう、アラド! ちゃんと敬意を払いなさい!」

そして実際。
帰ってきたアクアに対しヒューゴは抱きつきはしなかったが変な男に狙われなかったか、宿泊施設はちゃんとしていたか、等を問い詰めていた。
「もう、心配性ね。私に言わせればあなたの方が心配だったんだけど? なんてったってパートナーだものね」
「ああ! アクアの料理が食べたくて仕方なかった! だから今日は朝から断食していた!」
「大変! すぐ作るわね、ヒューゴ!」
他のメンバーを置いてきぼりにし2人の世界を作っている。
「……ゼオラがもっと料理うまければなぁ」
「ガサツって言うな!」
「言ってねぇ!」
「まあ、こんなことはいつものことでござる」
「若いとは言え浮かれすぎだとは思うがな……鋼龍戦隊では問題にもならんのだろうが」

 

Twitterのお題箱に投入されていたお題『ラブラブなヒューアクを見守る教導隊の皆様のお話』からぷらいべったーに置いていたものの再録。
ご存知の通り旧教導隊大好きですが新教導隊も好きです。ATXチームにいた時とは別なラミアの立ち位置が特にお気に入りです。
私はカプそのものもですが周囲がわちゃわちゃしている話はすっごく書きやすいのでお題入れた匿名の某フォロワーさんに感謝です。
ヒューアクはMXの時から好きなんですが意外と書いていないのでもっと書きたいなーと思います。

テキストのコピーはできません。