彼らなりの愛し方

彼らは人形であるが心を持ち人間になりたがった。
人間として愛しあい、人形故に愛し方を知らなかった。

「愛している」
スペクトラが真っ赤になった。
混乱している。感情回路の暴走か?
少しデータを取って修理せねばならん。
「キャリコ、そ、その……」
「お前が愛しろと命じたのだが、何か間違ったか」
「間違ってないわ! 凄く嬉しい! け、けど……その、刺激が強すぎるというか……」
「わからん。どこがだ」
「声の低さとか」
「声帯は変えられん」
「凄くキラキラした顔とか」
「元々この顔だが。知っているだろう、俺も嫌いな顔だ。少しは好きになれた気がするんだが……」
「好きよ! 大好き! 愛するしかない最高の顔よ!」
どっちだ。
愛しているのだが何を言っているのか理解出来ない。
感情回路がおかしいのは俺の方なのか。
「……もっと言って」
「愛している」
混乱しきっている。
どうしろと言うんだ。

 

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お題箱「ヤンデレなスペクトラに手玉に取られるキャリコ」です。
キャリスペは本編では倒されるだけの敵ですが無限の可能性がありすっげー好きです。
お互いのポンコツっぷりを全開にしたラブコメです。
同じお題からSMでエロな『壊れ合う』が出来てしまう卑怯としか言いようがない可能性ぶりです。
私は基本的にラブコメ書きなのでだいたいこっちのキャリスペを書いてしまいますが、どちらも書きたいです。
当然ながら生存ifです。
ヴィレッタやクォヴレーやセレーナたちと相容れないながらに仲良くやっています。

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