■遠き巡り会いの果て

広間に行くと、オーディンが話し掛けてきた。
いつもの芝居がかった喋り。
呆れたフリをすると慌てて平たく言い直す。
そして神妙に告げる。彼の本当の名前はウードだということを。
いつものお芝居だろうと笑い飛ばすと少し不服そうだったが召喚師と英雄としての絆は深まったとみていいだろう。
――――知っているんだよ、オーディン、いや、ウード。
同じパーティーの回復係が君の母親であるリズなのは偶然じゃない。
君は両親想いの優しい青年だ。
世界を救うためどれだけ力を求め、力があるように振る舞い、いつの間にか君のアイデンティティーになったそのお芝居の理由を自分は知っている。
救いを求める彼の竜を放っておけず世界を渡ったことも。
ついでに言うと恋心の自覚もなく指摘されて赤面する純情な面も。『貴様は婚姻関係において選ばれし者だ』なんて口説き文句も。
大好きな女の子に気持ち悪いと言われ膝を抱える姿も。詩人と称されケーキに名を付ける姿も。怖がっている谷間の吊橋をカッコつけて走り渡る姿も。
何もかも自分は知っている。
――だが、ここでの自分の役割は『クロムの半身の軍師』でも『白夜で生まれ暗夜で育った王族』でもなく『特務機関の召喚師』だから深入りはしないし出来ない。
君も様々なオーディンの可能性を集約した『英雄』という概念だ。
だからお芝居の割合は低いし特務には何人もの君がいる。
そういうものだ、召喚師と英雄というものは。
ああ、でも残念だな。
君との繋がりが『契約』なんて言葉で済まされてしまうのは。
魂の契りならそれに相応しい指輪でも欲しいな。『あの時』のように。

 

FEH、召喚士→オーディン。何故オーディンか? 私が大好きだからさ!(ただしウードもオーディンもマイユニ以外とのCPが本命)
まあうちの召喚士の魂の契りヒーニアスなんですけどね!(台無し)
いや、だって実はいい人強いんだもん……オーディンは看板息子扱いです。
しかしこれって夢小説になるんでしょうか? 一応召喚士≠私設定なんですけど……

 

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