サコンとシズカのお惚気夫婦漫才!愛の炎がBurning On!!

ヒゲ剃りを終えて温めたタオルを当てる。
「はい、これでいつもの男前に戻ったよ」
シズカが笑いサコンがまばたきする。
「今日は珍しく大人しかったね」
「君に強引に剃られて怪我するよりはマシですからね」
タオルで顔を拭いてシズカに返す。
「あ、あのさ……」
シズカが顔を赤らめてサコンの肩に触れる。
戸惑いながら次の言葉を待つと、シズカは小声で囁いた。
「…………シロウ」
「!!」
椅子から飛び退き5メートルほど距離を取る。
「な、ななななななんですかシズカ君」
「そんなに怯えることないだろ、あたしとシロウの仲じゃないか」
「いや、そりゃあまあそうなんですが、先生と呼ばれ慣れすぎててですね」
「だから呼んでみたかったのさ。嫌かい?」
鼻をかく。
「嫌という訳では、ないんですが……」
「名前で呼ばれてそんなに挙動不審になるのは先生くらいだろうね」
「あ、やっぱり先生と呼ばれた方が落ち着きますね」
「まったく……」
椅子の後ろからサコンに歩み寄る。
「将来生まれる自分の子供にパパとかお父さんじゃなくて先生って呼ばれても知らないよ?」
「そ、それは気が早くないですかね!?」
「気が早いってことは一応その気はあるんだね」
眼鏡を指先で抑える。
別の何か、たとえば感情というようなものを抑えるかのように。
「どうしてでしょうね、相手が君だと調子が狂ってしまうんですよ」
「先生が真っ当に口説き文句を使うなんて珍しいね。もっと言ってくれないかい」
「…………シズカ」
驚き飛び退き距離を取る。
「どうしたんですか、名前を呼んだだけですよ?」
「だって、だって、あんたいつもシズカ君って……!」
「まあそういうだろうと思いました。先程のお返しです」
「が、ガラにもなくキザなことして!」
「君もなかなかワガママですねぇ」
どちらからともなく近寄り、肩を寄せ合う。
「……あんたはやっぱりいい男だね」
「君も私の大切な人ですよ」

*****

「どうしたリー、サコンに装備を頼むのではなかったか」
「アレ入っていけねぇって!」
「?」
Xフロアに立ち入ろうとするヴェスターヌを押し留めてリーは笑う。
「それにアレ見てたらお前と話する方が優先かな、って」
「相変わらず軽薄な男だ。だが最近そのような台詞を聞いていなかったからな……いいだろう、話をしようじゃないか」

 

スパロボワンライから版権お題「ガイキングLOD」だったのでこれは書くしかない!とサコシズで書いてみました。
公式夫婦なので毎回糖度に悩みます。
サコン先生がシロウと呼ばれるのは凄く珍しいと思いますがシズカさんもサコン先生から「君」なしで呼ばれるのは珍しいと思います、というのを込めて!

 

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