突撃!ヒーローインタビュー

天音を通して駆への取材申し込みがあり、駆とシャルは困惑した。
「全国レベルの陸上部ってホントだったんだ。見栄張ってるのかと思ってた」
「こないだだって100m走で大会新記録出したんだぜ。しっかし何で天音経由での取材申し込みなんだ?」
「担任の亜衣子先生の紹介なんだ。兄さんの噂聞いて是非取材したいって。ついでに家庭訪問もしたいみたい」
「戦後のケアって奴か。まあ父さんも母さんも一度様子見で帰ってきただけでまた海外に行っちまったしそういうの気にする人だもんな、亜衣子先生」

そして取材と家庭訪問の日、駆は驚愕の叫びを上げることになる。
「大魔界なくなったのに何でヤミノリウスが、しかも取材名目で来るんだよ!」
「闇の魔法使いヤミノリウスはもういない……私は正義のジャーナリスト、闇野響史だ!」
「駆君、気持ちはわかるわ。でも私も教職者、更正したいという闇野さんの気持ちを尊重してあげたいの」
「無論君たちがあの一連の戦いで中枢を担っていたことは伏せておく。私は正義のジャーナリストだからな!」
ペンとメモを取り出す闇野に不審な点は見られない。
質問も当たり障りなく陸上を始めたキッカケ、弟の存在がどれだけ大きかったかという手合いだ。
「その……本当に普通の取材なんだな」
「当たり前だ。何だと思ったのだ」
「い、いや、俺たち大魔界と散々やりあったしそのお礼参りかと。正義のジャーナリストって肩書きすっげー胡散臭いし」
「うん、ブラス兄様以上に胡散臭い人初めて見た」
シャルが横で頷くがそれもまた驚きの1つである。
「何、そのブラコンのくせに胡散臭いって自覚あったのかって目!」
「俺何も言ってねーし!」
当たってるけど、とは流石に口には出せない。
「そちらのお嬢さんにも一言戴きたいな。まず駆君とはどういうご関係で?」
「ど、どういうって……」
「居候だよ! バカ喰いしまくるドーナツ女! 父さんと母さんの前ではちゃっかり猫被りやがって!」
「でもおじさまとおばさまに駆と天音のこと託されたもの! ちゃんと私を敬いなさい!」
「なるほど、ご両親公認のフィアンセ、と……」
ペンを走らせるとそのメモをシャルが奪い取り千切りはじめる。
駆も目を三角にしていた。
「どこをどう解釈したらそうなるんだよエセジャーナリスト!」
「似非とは言ってくれる! これでも様々な新聞や雑誌に寄稿して生計を立てているのだぞ!」
「でもネタギレで亜衣子先生に頼った結果が今回の兄さんへの取材だよね?」
固唾を呑んで見守っていた天音が何気なく呟いた。
闇野がペンを取り落とす。
「私だって……私だって好きで亜衣子さんに迷惑をかけている訳ではないっ!」
「亜衣子先生のことは好きなんだろうけどなー」
「あ、この2人そういう関係なんだ」
駆とシャルの言葉が追い打ちをかける。
「や、闇野さん、しっかりしてください! ジャーナリストに反論はつきものです! でも安心したわ、天音君が元気なのは学校でわかるけど駆君も大丈夫そうで」
「まあ伊達に鍛えてないってことで……おーい、大丈夫かよヤミノリウス」
「私は……闇野……正義のジャーナリスト……」
ブツブツ呟く闇野を亜衣子が投げ飛ばし玄関まで引きずっていく。
「闇野さん、この程度でへこたれてはいけません! あなたは更生するだけでなく子供たちの模範たる大人として常に凛と佇むのです! それではお邪魔しました。天音君、また学校でね」
「は、はい! 亜衣子先生、ありがとうございました!」
「……つえーな亜衣子先生」
「ガンバーチームと天音とラムネの担任の先生だけあってタダモノじゃないってことね……」
出したが残されてしまったお茶請けを頬張りながら、千切ったメモをゴミ箱に放ったのであった。

 

スパロボワンライ、お題は『NEO』ということで一番好きなクロスの青空町組を……ラムネ書けてねぇ!
闇野さん書きたかっただけだろと言われればそうだと言う他ないですね!
NEOでも「お前の愛した男に会わせてやろう」とかEDの正義のジャーナリストとか結構美味しかったです声はないけど(泣)

 

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