■おとなもこどももおねーさんも

『よく来てくれた、勇者たちよ!』
王冠を被った分身が、端末の中で声を上げる。
何度目かもわからない救出劇。
「あれ、帽子まだ集まってないの?」
隣で同様に端末を開いている友人だが、少し操作するとすぐに閉じてしまう。
「集めたけど、出会いは大切にしたいからね」
「律儀というか何というか」
2人の端末を覗きこんでいた別の少年がため息をつく。
彼は病弱であまり街中に出る機会もないため、進行状況は2人から大幅に遅れている。
「2人とも凄いなぁ。帽子もパネルも集まる気がしないよ」
「気にすんなよ。花ならオレもコンプしてないから」
ナビゲーター役に対し腹黒い、鬼などの言葉が飛び出す。
「……そこまでにしておいた方がいいかもね」
「何でだよ。いくら実在の街がモチーフだからってさ」
「『メンデル』って人が勝負をしかけてきたから」
顔を見合わせ、雑踏を見渡した。
「どこに、いるんだ?」
「前は目と目があったらバトル、なんて言ってたけど今は目が合う必要すらないからね……メガフシギバナ。ちょっと相性が悪いかな」
「大人げねぇ!」

 

Twitterのワンライで書いたSS。初出2014年ですがワンライなので加筆修正はしないよ!
割とうちのスマブラならではの小説です。すれちがい広場大好きだよ!
なお2019年現在花は未だにコンプできていません。メンデルさんのおにちくー!
こういうネタって時代が過ぎたら通じなくなっちゃうのかなぁ。すれちがいはナマモノですし。

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